患者様からの要望が増えるなか、キャッシュレス決済の導入を検討しつつも、手数料やスタッフへの教育といったデメリットが気になり、なかなか踏み切れないクリニックは少なくありません。本記事では、導入に伴うコストやオペレーションの課題といったデメリットと、それを上回るメリットについて詳しく解説します。
小売店や飲食店に比べて、医療機関でのキャッシュレス決済導入は遅れている傾向にあります。その背景には、医療業界では従来から現金決済が主流であったという事情があります。加えて、決済手数料の負担がクリニックの経営に悪影響を与えないかという強い懸念や、診療報酬の入金サイクルと実際のキャッシュレス決済の入金タイミングのズレなど、医療機関特有の資金繰りへの不安も導入が進まない大きな理由となっています。
キャッシュレス決済の導入には、経営面や現場の運用においていくつかの懸念事項が存在します。ここでは具体的なデメリットを3つ解説します。
最大の懸念はコスト面です。キャッシュレス決済を利用すると、決済金額に対して一般的に数%の手数料が発生します。また、専用の決済端末を購入する代金や、月々のシステム利用料などのランニングコストもかかります。これまで現金のみでかからなかった経費が継続的に発生するため、利益率など経営に与える影響を慎重に考慮する必要があります。
新しい決済システムや端末の使い方を、受付スタッフ全員が習得しなければならない点もデメリットです。日々の忙しい通常業務を行いながら教育の時間を確保することは容易ではありません。また、長年慣れ親しんだ従来のレジ業務から会計のオペレーションが大きく変更されるため、導入当初は現場の混乱やスタッフの負担増が懸念されます。
高齢の患者様が多いクリニックでは、「せっかく導入しても使われないのではないか」と懸念される傾向があります。しかし近年では、高齢者層でもキャッシュレス決済の利用率は確実に伸びており、実際には幅広い年代で利用される土壌が整いつつあります。
コストや教育の手間といった課題がある一方で、それらを補って余りあるメリットも存在します。導入により得られる3つの利点をご紹介します。
キャッシュレス決済は現金のやり取りや釣銭を渡す手間が省けるため、患者様の会計待ち時間を大幅に短縮できます。また、手持ちの現金を気にする必要がなくなり、急な体調不良時や高額な検査・治療の際でも安心して受診できるため、患者様の利便性と満足度の向上に直結します。
スタッフ側のメリットとして、毎日のレジ締め作業や釣銭準備にかかる時間が大幅に削減される点が挙げられます。これにより、受付スタッフの業務負担が軽減され、効率化が進みます。さらに、現金に直接触れる機会が減る非接触会計が実現するため、院内感染リスクの低減にもつながるという医療機関ならではの強みもあります。
オンライン診療を提供しているクリニックの場合、電子決済の導入は欠かせません。患者様が来院せずにスマートフォンやパソコン上で支払いを完結できるため、オンライン診療をスムーズに運用する上で非常に相性が良いと言えます。
キャッシュレス決済の導入には、決済手数料や初期費用といったコスト負担、現場スタッフの教育といったデメリットが伴います。しかし、患者様の利便性向上や会計待ち時間の短縮、スタッフの業務効率化など、それを上回る大きなメリットも期待できます。
導入の際は、自院の抱える課題や患者層のニーズに合った決済システムを選択することが重要です。患者様とスタッフ双方にとって利点のある運営を目指し、前向きに検討を進めてみてはいかがでしょうか。
画像引用元:名南M&A公式HP
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