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医療法人・病院・クリニックの事業譲渡とは?

医療法人や病院、クリニックの事業譲渡についてまとめました。

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医療機関には種類がある

病院・大病院

病院とは、けが人や病人を収容して、医師や歯科医師が診察・治療するための施設です。20床以上の病床をもち、外来と入院、2つの機能があります。病床が200床を超える場合は、国から大病院と区分されます。

総合病院

総合病院は、100床以上の病床をもち、所定の診療科・施設を有する病院のことです。所定の診療科には内科、外科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科が含まれます。また、所定の施設には集中治療室、講義室、病理解剖室、研究室、化学、細菌、病理の検査施設などがあります。

総合病院と名乗るには、上記の条件を満たした上で、都道府県知事の承認を得なければいけません。

診療所・クリニック・医院

医師または歯科技師が、診察や治療を行う場所で、病床数が19床以下または無床である施設を指します。診療所やクリニック、医院は、いずれも定義に大きな違いはありません。医療法に明記されているのは「診療所」ですが、より親しみやすく、クリニックや医院という名称も使われています。

「医療機関」の事業譲渡とは?

M&Aによる法人や個人クリニックの譲渡

事業譲渡とは、会社が営む事業の全部又は一部を譲渡することを指します。M&Aでは、経営権を移す株式譲渡と並んでよく用いられる手法です。M&Aで法人や個人クリニックの一部または全部を譲渡する際にも、同じように事業譲渡が用いられます。

譲渡(売却)する内容により手法が異なる

医療法人や病院、クリニックのM&Aを行う場合の手法としては、合併事業譲渡出資持分譲渡などの手法があります。

「合併」とは、2つ以上の法人を1つの法人に統合することで、一般的に吸収合併の手法が用いられます。

「事業譲渡」は上述で述べた通りですが、経営権は引き渡されずに譲渡元に残ります。「出資持分譲渡」の出資持分とは、法人設立の際に出資した割合に応じて出資者が払い戻しできる財産権のこと。出資持分を出資者が譲渡することで医療法人全てを売却する手法です。

M&Aのポイント

事業譲渡では、契約関係や債務・債権などを譲渡する際に、一つずつ移転手続きを取らなくてはいけません。例えば、不動産の賃貸契約や従業員の雇用契約などが挙げられます。事業譲渡する内容によっては煩雑な手続きが必要となることも。M&A仲介会社を通す際は、このような手続きをしっかりサポートしてくれる会社を選ぶのがポイントです。

「医療法人」の事業譲渡とは?

医療法人内の1つの医院を譲渡
する手法

医療法人を第三者に譲渡するようなM&Aのケースでは、大きく分けて2つの方法があります。医療法人全体を譲渡する方法と、医療法人内にある1つ医院だけを譲渡する方法です。事業譲渡はこのうち、後者による方法を指します。

M&Aのポイント

医療法人の事業譲渡も、契約関係や債務・債権の移転手続きが必要です。また、医院の廃止や新設の手続きも必要となってきます。地域によって既存病床数が基準病床数を超えている場合、許可が下りない可能性も出ててきます。

事業譲渡をする際は、医療関係のM&Aに精通した仲介会社のサポートを受けるのが望ましいでしょう。

病院・医療法人の事業譲渡・売却を行う際のポイント

事業譲渡・売却を行う目的の明確化

事業譲渡・売却を行う目的を明確にし、買収側へ分かりやすく伝えます。売却側目的が不明瞭な場合、買収側はリスクを感じて交渉を中止する恐れがあるので注意しましょう。

よく見られる売却の目的は、後継者不在問題の解消、事業の選択と集中、人材確保の行き詰まり解消、大手資本の傘下へ入ることによる経営の安定化などです。

仮に後継者不在問題の解消が目的であれば、買収側は経営不振による売却ではないことに安心し、交渉に前向きになる可能性があります。あるいは、事業の選択と集中が目的であれば、買収側は売却事業の経営状態の調査に入るでしょう。

買収側の判断や行動を促すため、売却の目的の明確化は大変重要です。

経営状態を分かりやすく伝えるための資料整理

売却側の経営状態を分かりやすく伝えるための資料を整理します。

医療法人の約3割が赤字と言われる現在、買収側は売却側の経営状態を知らずに買収することはできません。簿外債務等のマイナス情報も含め、売却側は一切の経営状態を買収側へ誠実に伝えることが信義則です。

もちろん、マイナス情報だけではなく、他の医療法人にはない強みをアピールすることも大事。たとえば歯科医院であれば、歯科用CTなどの高額な装置を導入していることを強くアピールします。整形外科であれば、周辺地域の高齢者比率が高いことをアピールしても良いでしょう。

譲歩できる部分と譲歩できない部分の明確化

M&A交渉において、譲歩できる部分と譲歩できない部分を明確にします。

M&Aには買収側の意向もある以上、全て売却側の思うように交渉が進むとは限りません。相手が譲歩できない以上、こちらが譲歩しなければならない部分も出てくることでしょう。逆に、いかに相手から強く求められても、こちらが譲歩できない部分もあるでしょう。

交渉で譲歩できる部分と譲歩できない部分をリストアップし、それぞれに優先順位を付しておくようおすすめします。

M&Aの手続きの流れ

M&A仲介会社などに相談

M&A仲介会社や金融機関、コンサルティング会社などの専門家に相談し、事情売却に向けたアドバイスを受けます。法人代表が個人で売却先を探すことも可能ですが、不利な条件での成約になることを避けるため、一般的には専門家へ相談する形となります。

相談を受けた専門家は、自社や提携会社が持つ買収希望案件の中から適切な売却先を複数選択。買収意向を確認の上、交渉に向けた準備を行います。

トップ面談

売却側・買収側のトップ同士が面談します。

トップ面談の目的は、双方の事業に対する理念、企業文化、トップの人柄などを確認すること。一般的に、トップ面談で売買価格などの具体的な交渉が行われることはありません。

トップ面談を通じ、売却したい相手を絞り込んでいきます。

基本合意契約の締結

最終的に売却したい相手を1社に絞り込んだ後、基本合意契約の締結に向けて具体的な交渉に入ります。

交渉の主な内容は、売買価格や独占交渉権、守秘義務などに関すること。双方が交渉内容に合意したら、M&Aの基本合意契約を締結します。

なお、一部の条項を除いて、基本合意契約には法的拘束力がありません。

デューデリジェンス

買収側が売却側に対し、デューデリジェンスを実施します。

デューデリジェンスとは、売却側の財務や法務、人事、経営などに関する詳細な調査のこと。買収側が売却側に対して弁護士や公認会計士、税理士、社内専門スタッフなどを派遣し、売却側の内情をあらゆる側面から調査します。

デューデリジェンスを行う主な目的は、買収後の潜在的リスクの有無や程度を確認することにあります。買収後に想定外のリスク発覚(簿外債務など)により経営が混乱しないよう、あらかじめ売却側に関する詳細をチェックするのがデューデリジェンスです。

売却側はデューデリジェンスの実行において隠し事を作らず、誠実に対応しなければなりません。

最終交渉と最終契約

デューデリジェンスの結果を踏まえ、改めて交渉を行います。当初はないと思われたリスクが発覚すれば、買収側から値引き交渉が行われるかもしれません。逆に、当初想定していなかった利点が見つかれば、交渉により価格が上がる可能性もあります。

売却側・買収側の双方が合意に至れば、最終契約を締結。基本合意契約とは異なり、最終契約には法的拘束力が生じます。

引渡しと決済

事業の引渡しと代金の決済を行い、M&Aの一連の手続きが終了します。

医療法人で事業譲渡する際に起きやすいトラブル

適切な売却価格の算出が困難になる

医療法人、特に院長個人がメインで長く診療を行ってきたクリニックの中には、その院長個人の医療技術、人柄などを理由に安定経営が続いてきたところが少なくありません。そのため、M&Aにより院長が交代すると、地域からの信頼が低下して経営不振に陥る恐れもあります。もとより赤字運営の医療法人も多い中、院長交代による患者数減がのしかかれば、早々に廃業へ追い込まれるリスクもあるでしょう。

このように、院長の「顔」に大きく依存している医療法人は、一般企業と異なり将来のキャッシュフローが予測しにくいことから、適切な売却価格の算出が難しくなります。売却側と買収側の見解が一致しなければ、M&A交渉は決裂する可能性があるでしょう。

買収後、建物の大規模リフォームや建替えが必要になることがある

古くから診療を行っている医療法人・クリニックなどの中には、建物の設計や条件が現行法に一致していない例が見られます。

建てた時点では合法だったものの、その後の法改正により現行法に合致しなくなった、という状態です。このような建物のことを、既存不適格建築物と言います。

既存不適格建築物は、「そのままの状態」で使用する場合に限り、特に法的な問題は生じません。ただし買収側が「建物が古すぎるので少しだけリフォームしたい」と考えた際には要注意。もしリフォームすれば、建物は「そのままの状態」ではなくなるため、現行法に合致する水準まで大規模リフォーム、または建替えをする必要が生じます。

買収後に建物をリフォームする可能性がある場合には、M&Aの最終契約をする前に、自治体へ建物の現状を確認してもらうようおすすめします。

M&A成立と同時に医師や看護師などが離職する

売却側の医療法人で働く医師や看護師たちは、売却側の医療法人との間で雇用契約を結んでいます。この雇用契約は、M&A成立と同時に買収側へ自動移行するものではありません。同じ医師や看護師に引き続き働いてもらいたいならば、改めて買収側が雇用契約を結ぶ必要があります。

ところが医師や看護師の中には、経営者が変わることに不安を感じ、買収側との雇用契約を拒む人がいるかもしれません。仮に、買収に伴って給与や各種待遇、勤務時間などの雇用条件が不利になれば、売り手市場である医療業界ゆえ、高い確率で離職される可能性があります。新たな医療従事者の雇用が容易でないことは、言うまでもありません。

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