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医療M&Aにおける仲介手数料の仕組み

医療M&Aの手数料は複雑で、適正価格が見えにくいものです。

本記事では料金の仕組みや追加費用の落とし穴を解説。「安さ」のリスクと「専門性」の価値を理解し、表面的なコストではなく、安全な承継を実現できる信頼性の高い仲介会社を選ぶための判断基準を紹介します。

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医療M&Aにおける仲介とは

病院やクリニックの売り手と買い手の間に立ち、交渉支援から契約手続きまでを担う専門家です。医療M&Aでは、行政との許認可手続きが必要になるケースも多く、仲介会社によっては行政申請までサポートする体制を整えていることもあります。

特に医療法人は、「出資持分の譲渡」と「行政への許認可申請」が複雑に連動するため、一般企業と同じ進め方では対応できません。こうした医療特有の法規制や行政との事前協議をカバーし、複雑な手続きを紐解きながら、確実な承継スキームを実行へと導きます。

医療M&A仲介の手数料体系

着手金・中間金・成功報酬の
3段階

医療M&Aでは、仲介契約時の「着手金」、基本合意時の「中間金」、最終成約時の「成功報酬」という3段階で費用が発生するのが一般的です。業務の進行段階に応じて成果と工数が増えるため、各工程ごとに費用を支払うのが基本ですが、会社によっては着手金・中間金を不要とする「完全成功報酬型」を採用しているケースもあります。成約しなければ費用は発生しないのが大きな違いです。

一方で、「成功報酬型」とうたっていても、実際には着手金や中間金が必要となる会社もあります。費用が発生するタイミングは仲介会社ごとに大きく異なるため、どの段階で何の費用が生じるのかを契約前に必ず確認することが重要です。

レーマン方式による報酬計算

成功報酬の算出には、多くの仲介会社が「レーマン方式」を採用しています。レーマン方式とは、取引金額の階層ごとに料率を分け、M&Aの成功報酬を計算する方法のこと。高額案件で手数料が過剰に膨らまないように、取引金額が高くなるほど料率が少しずつ下がっていく設計です。取引金額の階層や適用される料率は仲介会社ごとに異なります

参考までに、病院M&Aアドバイザーズの成功報酬設定を例に挙げると、1億円以下で売れた場合は「譲渡価格×10%(※但し、最低報酬は550万円(税込))」、1億円超・5億円以下で売れた場合は「1,000万円+(譲渡価格-1億円)×5%」となる計算です。

※参照元:医療機関の事業継承専門 病院M&Aアドバイザーズ(https://ma-advisors.jp/fee.html)

最低報酬・固定報酬の設定が
あるケース

医療M&Aは小規模案件であっても、行政対応などの専門実務を省略できないことから、案件規模に関わらず一定の業務工数が必ず発生します。 仲介会社が「最低報酬(例:500万円~)」を設定しているのはこのためです。

「料率は低いが最低報酬が高い」ケースもあり得ますので、表面的な%ではなく「支払総額」で判断しましょう。

医療M&A特有の
費用発生タイミング

スキームによって
発生時期がかわる費用

「出資持分譲渡」は主に成約時の支払いで完結しますが、「事業譲渡」や「合併」は行政手続きや登記費用が先行して発生します。法人格をそのまま引き継ぐ「出資持分譲渡」とは異なり、事業譲渡などでは許認可の取り直しや不動産等の名義変更手続きが必須となるためです。

成功報酬の支払い前に、別途「実費」の用意が必要になる点に注意しましょう。

成約後に追加コストが生じる

仲介手数料とは別に「買収監査(デューデリジェンス)費用」「登記費用」「税務申告費用」といった実費が発生します。仲介手数料はあくまで「マッチングと進行」の対価であり、これらの専門業務コストは含まれていません。

会社によっては「出資金評価・資産査定書作成料(一例:病院M&Aアドバイザーズ)」として、個人クリニックで22万円(税込)から、病院で55万円(税込)からといった費用が別途必要になるため、費用の見落としがないよう注意が必要です。

※参照元:医療機関の事業継承専門 病院M&Aアドバイザーズ(https://ma-advisors.jp/fee.html)

途中解約・不成立時

交渉がまとまらず「不成立」となった場合や、諸事情により「途中解約」に至った場合でも、それまでに支払った着手金、中間金、実費(監査費用等)は返還されないのが一般的です。

例外として、交渉相手の自己都合による解約時に「違約金」が発生する取り決めがある場合は、費用が相殺されることもあります。どのような条件なら金銭補償があるのか、撤退時のルールを明確にしておくことが重要です。

仲介手数料における注意点

報酬算定の基準が曖昧

提示された料率(%)だけで判断せず、「その%を掛ける基準額(ベース)」が何かを必ず確認しましょう。

例えば、銀行借入などの「負債」まで含めた「移動総資産」を基準にする場合、純粋な売買価格(株式譲渡対価)を基準にする場合に比べて、報酬額が数倍に膨れ上がる可能性があります。「何に対して料率を掛けるか」が明確でない会社は、本来払う必要のない高額請求につながるリスクがあるため注意が必要です。

追加費用が発生するケース

仲介手数料の適用範囲外として、買収監査(デューデリジェンス)の実費や行政申請代行、成約後の顧問契約更新料などが、後から別途請求されるケースがあります。これらは仲介会社によって「基本報酬に含まれる」か「別途請求の対象」かの取り扱いが分かれる領域です。

契約後に「対象外業務」による想定外のコストが発生しないよう、手数料でカバーされる業務範囲と別途費用が発生する項目を契約前の段階ではっきり区分しておくことが不可欠です。

報酬だけで仲介会社を選ばない

一見手数料が低くても、経験の浅い会社に依頼すると、書類不備による遅延や交渉ミスにより、案件そのものが破談になるリスクが高まります。目先の手数料削減よりも、確実な成約を優先し、「医療専門の実績」「料金体系の透明性」「担当者の知識量」を基準に選ぶ視点が重要です

M&A仲介会社は
「売却対象の規模」で選ぶ

当メディアでは「クリニック」「中核病院・地域医療法人」「医療グループ」といったクリニックや病院の規模別に、おすすめのM&A仲介会社を特集しています。

各規模でM&Aによる課題や重視すべきポイントが異なりますので、ぜひ参考にしてください。