本記事では、新型コロナウイルスがクリニック経営に与えた影響を整理するとともに、経営回復へ向けた具体的な道筋や、見直すべきポイントについて解説します。
目次閉じる
コロナ禍では、多くの人が感染機会を減らすために受診を控えるようになり、その傾向は現在も続いています。さらに、新型コロナウイルスが季節性インフルエンザと同じ「5類感染症」に移行したことで、医療体制維持のための補助金や診療報酬が見直され、病院やクリニックの経営環境は一段と厳しさを増しています。
こうした状況の中で経営を回復させるには、新型コロナ以外の外来・入院患者数をいかにコロナ前の水準へ戻していくかが大きな課題です。
医療機関に直接足を運ばずに診察を受けられ、院内や二次感染のリスクも避けられることから、「オンライン診療」のニーズが高まっています。
一方で、オンライン診療は対面診療に比べて得られる情報が限られるため、医療の質や患者の安全の観点から、導入には慎重な検討が欠かせません。それでも、これまで受診を控えていた患者の医療アクセスを広げる手段としては大きな可能性を持っています。
また、オンライン診療の普及が薬局にも波及し、オンラインでの処方や服薬指導など、薬局の機能強化にもつながることが期待されています。
コロナ禍で不急の治療や手術が延期されたことをきっかけに在宅医療が広がり、オンライン診療や訪問診療など、受診形態が大きく多様化しました。
こうした患者の行動変化を踏まえると、クリニックが経営を回復させるためには多様化する受診ニーズに対応し、在宅医療や訪問診療への展開を視野に入れることが求められています。
病院やクリニックを取り巻く経営環境は年々厳しさを増し、大規模な医療機関の統廃合が進むことで、医療過疎地域の拡大が懸念されています。こうした状況の中で地域医療を支えるかかりつけ医の役割はこれまで以上に重要となっており、他院や介護施設など地域の医療機関や福祉施設との連携体制の強化も求められています。
さらに、安定した経営基盤を築くためには、人件費や設備費などの固定費を見直し、無駄な支出を抑えた持続可能な経営体質を構築することが大切です。
コロナ前の水準までクリニックの経営を回復させるためには、患者の行動変化を踏まえた診療体制の再構築に加え、地域との連携強化、そして経営体質の改善を三位一体で進めることが求められます。まずは自院の現状を客観的に見つめ直し、取り組むべき課題の優先順位を明確にしたうえで、実行可能な施策から着実に進めていきましょう。
画像引用元:名南M&A公式HP
画像引用元:エムスリー公式HP
画像引用元:日本M&Aセンター公式HP