病院・クリニックの開業には多額の準備資金が必要になるため、借入金を返済できるか不安を抱えている方も多いでしょう。
本記事では、返済を苦しくする3つの原因を取り上げながら、不安を軽減するためのポイントを解説しています。
日本医師会が開業医(開設者)を対象に実施したアンケート調査によると、新規開業した病院・クリニックのうち、開業後5年以内で「借入金あり」と回答した割合は85.8%にのぼります。開業には多額の資金が必要となるため、「借入を前提に開業する」ことが一般的であると言えるでしょう。
ちなみに、開業後5~10年で借入金を完済している割合は全体の3分の1以上に達し、20~30年後には約60%が返済を終えているという結果も出ています。
開業に必要な資金には、医療機器・什器備品の購入費をはじめ、テナント費用や内装工事費、広告宣伝費、運転資金などがあげられます。診療科や開業形態によっても異なりますが、一般的な開業資金の目安は5,000万~1億円以上(※)です。ただし、CTやMRIなどの高額な装置を導入する場合は、総費用が1億円を超える場合もあります。
開業資金が予算を超えてしまうと返済が苦しくなり、最悪の場合は倒産につながるリスクもあるので注意が必要です。こうした事態を避けるためにも、十分な検討を重ねたうえで、現実的で無理のない事業計画を立てることが重要です。
クリニックを開業するにあたって、医師としての実力や経験のほかに、経営者としてのマネジメント能力も求められます。
多くの人にクリニックを認知してもらうためのホームページの開設や広告宣伝、さらにスタッフの質やモチベーションを維持するための労務管理など、集患につながる環境づくりが大切です。こうした経営・マネジメントに関する知識が不足していると、十分な施策を打てずに、効果が出ないまま費用だけがかさんでしまう恐れがあります。
収支のバランスが崩れると資金ショートを招く恐れがあるため、本当に必要な支出かどうかを十分に検討することが重要です。また、適切な税金対策を行うことで、支出を大幅に抑えられる場合もあります。どのような施策を取ればよいか判断が難しい場合は、医療経営を専門としているコンサルティング会社へ相談することも検討しましょう。
診療圏調査で開業予定エリアの医療需要を把握したり、開業前に必要な準備を確認したりするなど、事前にしっかりと対策を検討しておくことが重要です。また、資産形成の手段として資産管理会社を活用するのも有効です。運用を資産管理会社に任せることで、個人で管理するよりも大きな節税効果を期待できる場合があります。
また、返済計画を立てる際には、中長期的な視野を持つことも重要です。借入金を早く返済しようと繰り上げ返済を急ぐと、手元に十分な現金が残らず、経営がショートするリスクがあります。病院やクリニックを取り巻く環境は年々厳しさを増しているため、予想外の経営危機に直面した場合でも乗り切れるように、十分な現金を手元に確保しておくことが大切です。
開業は基本的に融資を受けることが前提となるため、借入金をきちんと返済していけるのか不安を抱えている方も多いでしょう。
借入を抑えようと必要な設備投資を十分に行わなかった場合、医療設備が整った他院へ患者が流れてしまう可能性があります。一方で、過剰な借入によって返済負担が重くなり、クリニック存続の危機に陥る事態も避けなければいけません。
こうした返済の不安と向き合うためには、経営やマネジメントに関する知識を身につけ、計画的な返済と資金管理を行うことが重要です。
画像引用元:名南M&A公式HP
画像引用元:エムスリー公式HP
画像引用元:日本M&Aセンター公式HP