小児科クリニックでは、院長の高齢化や後継者不在、地域の患者数減少など、運営に関する悩みが年々増えています。
本記事では、同じ課題に直面しながらも円満な承継を実現した小児科クリニックの事例を掲載。承継の流れや注意点なども詳しく解説しています。
「診療体制を今後どう保つべきか」「地域の子どもたちのために病院を残したい」と考えている方は、参考情報としてご活用ください。
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神奈川県川崎市宮前区で小児科・内科を標榜し、地域の幅広い世代に医療を提供してきたクリニックの事例です。
院長は2018年頃から、自身の今後のキャリアや医療活動の可能性について考え始め、将来的には地域医療以外の活動にも携わりたいという思いを抱くようになりました。
閉院した場合の患者への影響、スタッフの雇用問題などを踏まえた結果、地域医療を絶やさない形で引き継ぐことを目的に、事業承継という道を選択しています。
複数の会社に相談をしたものの、クリニックの規模や収益状況を理由に「譲渡は難しい」と判断されるケースもありました。譲渡価格や手数料を重視する会社が多い中、院長の想いに丁寧に寄り添ってくれたのがG.C FACTORYです。
担当コンサルタントは「どんな承継なら地域医療を守れるか」という視点で考え、患者やスタッフの未来も視野に入れた提案を行ってくれました。
承継に向けたプロセスでは、譲渡を断念せざるを得ない場面が三度訪れました。門前薬局の閉局、契約直前の破談、テナントオーナー交代による入居不可の可能性など、いずれもクリニック存続に直結する大きな問題です。
担当コンサルタントと承継先はこれらの課題を一つずつ解決。調剤薬局の誘致や条件交渉、開設準備の見直しなど、複雑な調整を粘り強く進めた結果、約3年かけて無事に承継が成立しました。
承継後は、スタッフ全員の雇用を継続し、院長は医療法人に所属する形で診療を続けています。地域住民からの信頼を維持したまま新しい体制がスタートしました。
住宅エリアで20年以上にわたり診療を続けてきた小児科クリニックの事例です。駅からは距離があるものの、複数のバス路線が利用でき、地域の子どもとその家族から長く支持されてきました。
院長が承継を具体的に考え始めたのは、勇退時期として定めていた「65歳」という節目が迫ってきた頃。電子カルテ導入やオンライン診療化などのIT対応が増えたことも要因のひとつでした。
当初は閉院と承継の選択で迷っていたため、買い手候補者との商談が成立するまで費用が発生しないメディカルプラスに相談をしました。
担当者は、クリニックの現状や院長の心境を丁寧にヒアリング。院長の気持ちに寄り添いながら、「閉院だけでなく承継という選択肢も残すべき」と冷静かつ親身に提案してくれた姿勢が決め手となり、依頼にいたりました。
駅から離れた立地だったものの、地域密着型のクリニック承継に積極的な買い手候補が見つかりました。2024年7月の相談からおよそ5か月という短期間で成約にいたっています。
承継後には、長年通院していた患者から「このクリニックがあって本当に助かっていた」「続けてほしい」という感謝の声が寄せられました。
乳幼児健診や定期予防接種など、自治体と連携する「公費事業」のウェイトが大きいため、売却時には継続手続きが欠かせません。
具体的には、自治体との委託契約の変更手続き、公費請求(予防接種・健診など)や補助券の取り扱い方法などを事前に整理する必要があります。
手続きが滞ると、ワクチン接種が受けられない期間が発生するなど、患者に直接的な影響が出てしまうため、注意が必要です。
小児科クリニックを売却する際は、子ども本人や保護者からの信頼を守るための承継が大前提となります。
特に、成長記録や予防接種歴などは診療の継続に重要な情報です。カルテ移管の方法や情報共有の範囲を明確にし、承継後もこれまでと同じ方針で診療が行えるように調整する必要があります。
また、承継直後に診療体制が大きく変わると保護者が不安を抱きやすいため、一定期間は前院長が診療に関わる、患者への説明機会を設けるなどの工夫を行うと良いでしょう。
承継後にスタッフが大きく入れ替わると、診療の流れが変わり「通い慣れた安心感」が損なわれるため、保護者が不安を感じる可能性が高いです。
長年働いているスタッフは、予防接種の地域ルールや近隣医療機関との連携、子どもへの接し方などを熟知しており、地域におけるクリニックの信頼を支えています。
承継後もできる限り同じスタッフが働き続けられる環境を整え、受診控えや他院への流出を防ぎましょう。
厚生労働省によると、小児科医の総数は2020年から2022年にかけて減少※1しています。
診療所で働く小児科医の平均年齢は61.3歳※2。年代内訳も50代以上が全体の約半数を占めており、29歳以下の小児科医は2002年以降少しずつ減少※3しているため、今後さらに後継者不在の問題が深刻化する可能性が高いでしょう。
少子化の影響で採算の確保が難しくなり、閉院や診療縮小が相次いでいるのも現実です。特に都市部から離れたエリアや人口減少地域では、後継者が見つからずそのまま閉院にいたるケースが珍しくありません。
全体として、小児科クリニックのM&A市場は売り手が多く、買い手が限られる構造にあります。良い条件で承継先を見つけるためには、早い段階から専門家へ相談し、クリニックの強みや地域のニーズを整理しておくことが重要です。
当メディアでは「クリニック」「中核病院・地域医療法人」「医療グループ」といったクリニックや病院の規模別に、おすすめのM&A仲介会社を特集しています。
各規模でM&Aによる課題や重視すべきポイントが異なりますので、ぜひ参考にしてください。
小児科医は、予防接種や乳幼児健診、発熱外来など、地域の子どもたちの成長を支える大切な役割を担っています。しかし、医師の年齢や体力などの問題により、診療を続けられなくなるケースも珍しくありません。
地域の子どもや保護者が困らないように医療を残したいという思いから、「閉院」ではなく「承継」を選ぶケースが増えているのです。
小児科の診療では、予防接種の管理、健診の実施、感染症流行時の受診増加など、安定した人員配置と設備が欠かせません。個人クリニックでは、院長ひとりに負担が集中し、診療体制を維持し続けるのが困難になるケースもあります。
自院を医療法人へ承継すれば、グループ内の人材や設備、運営ノウハウを活用しながら診療体制を強化することが可能です。法人のサポートにより、ワクチン・健診業務の効率化やIT化が進めば、より安全で質の高い医療を提供できます。
少子化の影響で患者数が減少し、経営が不安定になりやすい地域もあります。医療DX化の促進に伴う電子カルテ導入や設備更新などの費用も、個人クリニックにとっては大きな負担です。
経営基盤の安定化を図る目的で、医療法人グループに自院を承継するクリニックが増えています。法人のサポートを受けることで、採用力の向上、設備投資の補助、経営管理の効率化など、単独経営では難しい部分を補えるためです。
画像引用元:名南M&A公式HP
画像引用元:エムスリー公式HP
画像引用元:日本M&Aセンター公式HP