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クリニック未収金の回収について

クリニック経営において、患者の医療費未払いは経営を圧迫する深刻な問題です。本記事では、医療費未収金に関する法律知識や時効、トラブルになりにくい督促・法的回収のステップを解説します。未収金を未然に防ぐ予防策も紹介するため、安定した医院経営にお役立てください。

クリニックで未収金が発生する原因と経営への影響

クリニックで医療費の未収金が発生する主な原因としては、緊急入院など急な受診で現金やクレジットカードを不携帯だったケースや、手持ちの費用が不足していたケースが挙げられます。また、外国人患者が支払いシステムを理解できず未払いになる事案や、夜間・休日の受診で会計体制が未整備であるために後日支払いとなるケースも少なくありません。

こうした未収金が積み重なることは、クリニックの経営に多大な悪影響を及ぼします。単に収益が圧迫されるだけでなく、督促業務に追われることで回収にかかる人員コストが増加し、スタッフの業務負担や精神的ストレスも大きくなります。さらに、不適切な督促を行ってしまうと、患者との関係が悪化して二次的なトラブルにつながるリスクも孕んでいます。

未収金を回収するための具体的な手順と限界ライン

自院で行う任意での督促と注意点

未収金が発生した場合、まずは速やかに患者へ連絡を取り、支払期限を明確に約束させることが回収の第一歩となります。しかし、自院で督促を行う際は注意が必要です。執拗に電話をかけたり、自宅へ押しかけたりする行為は厳禁です。また、威圧的な言動をとることや、患者の職場など第三者へ連絡することは、クレームの発生やクリニックの評判悪化といった二次トラブルを招くため、避けてください。

弁護士・法的対応へ切り替える判断基準と手続き

自院での督促には限界があります。たとえば、1〜2ヶ月以上連絡が取れない、未払い額が高額である、未払いが常習化している、督促対応でスタッフが疲弊しているといった状況に陥った場合は、早期に弁護士へ対応を依頼することが推奨されます。弁護士に依頼することで、迅速な解決が期待できるというメリットがあります。

法的対応に切り替えた場合、まずは弁護士名での内容証明郵便の送付が行われます。それでも支払われない場合は、裁判所を通じた支払督促や、未収金が60万円以下の場合に利用できる少額訴訟などの法的手段が検討されます。ただし、法的対応には費用がかかるため、費用対効果を十分に勘案し、場合によっては「回収を打ち切る」という経営判断を下すことも一つの選択肢となります。

未収金の発生を防ぐ!クリニックでできる予防策

未収金は、発生後の回収だけでなく、未然に防ぐための院内体制づくりが何より重要です。具体策としては、診察後その場で迅速に支払いが完結する「自動精算機やキャッシュレス決済の導入」が効果的です。また、未払いが発生した際にスタッフ間で対応を統一できるよう、「未払い対策マニュアルの作成」も進めましょう。万が一の事態に備えて「医業未収金補償保険」への加入を検討することも有効ですが、補償内容は契約内容や保険会社により異なるため事前の確認が必要です。さらに、日頃から患者の連絡先などの情報を適切に管理しておくことが、トラブル防止の基本となります。

まとめ

医療費の未収金はクリニック経営を揺るがす課題であり、放置せずに迅速な督促と適切な法的手段を活用することが不可欠です。患者との無用なトラブルを避けるためにも、回収の費用対効果を意識しつつ、早めに専門家である弁護士へ相談することをおすすめします。